VRの勉強会に行ってわかったVRビジネスの課題
こんにちは、ヒガシ(@suica_versa)です。 某ベンチャーで5年ほど新規事業の立ち上げを行い、今は退職してスタートアップにて事業立ち上げとエンジニアリングの支援をしています。
先日、VRコンテンツを提供する会社方が講演する、VR技術とビジネスについて実務経験を紹介するセミナーに参加したので雑感をメモしておく。
AR/VR系のビジネスは現状、受託仕事が多い印象。
- 話題の技術を使ってプレゼンしたい、的な要望に答えている。
- 公開して良いのか判らないのでぼやかして言うと、一般消費者向け大手メーカーの展示でAR使ったコンテンツを作った。
- ARじゃなきゃできないこと、というよりもAR使いたい!的な切り口。
- ウェアラブルにしてこの空間に商品が浮かんだらすごそう!みたいな話から依頼に至った印象。
- それを、技術を知っている立場から現実的にエンドユーザーにとって意味がある、運用性を保ったモデルに調整していくのが重要そうだった。
- 技術自体は、革新的、というよりも従来のARKitなど使ったぐらいなのでそうでもない。
- 一方で、丁寧にコンテンツを作ることのほうが重要そうだった。例えば、ARで表示する3Dモデルの光源と、会場の光源を近いものにすることで臨場感を出す、など。
VRはコンテンツづくりが重要
- 現実から非現実へのゆるやかなシフトが重要。
- HMD被った段階で表示されるのは会場の景色。そこに少しずつ非現実をプラスしていったり、VR空間内動けることを示して非現実に慣れさせていく。
- 技術的にはVICONというモーションキャプチャでユーザーの位置を取得、サーバー上で位置計算などの負担かかる処理をしてGearVRでは単に投影だけする。
- Oculusみたいな一体型HMDではなく、GearVRみたいにスマホ入れるタイプだと問題起きたときに取り外して確認がしやすい。
- そもそも、最低ラインを超えているかが難しい割に非常に重要。
- コンテンツが面白くても酔ってしまえば、事後のユーザーの感想は「酔っちゃた」以上のものにならないから。
そもそも、ビジネスモデルに関して苦戦している
- 今回も2年前の案件に関する紹介だったぐらい。
- スマホ+VR化ゴーグルなら、低価格だし広がるのでは?と思ったが、そもそもわざわざVRじゃなきゃダメなコンテンツが多くないから普及していない。
- 一方で、ゲーセンとかVRをとことん楽しむ系の場所ならしっかりとした設備用意したほうが満足度高くなる。
- 更に、フリーローム(VR空間内で多人数で遊べるコンテンツ)は処理上、人数の縛りもある。それもコンテンツを広げる妨げになってる。
感想
VR革新的じゃんという前提でキャッチアップしに勉強会に参加したが、そもそもVRは単にツールである、という 当然のことを思い出すことになった。
機械学習でも同じ過剰期待が存在するが、なぜVR?なぜAIというのが重要。
そういう意味では、エンタープライズ系は伸ばしやすい印象。 既にあるが外科医療系であれば練習素材を調達するのが大変なので、AR上で疑似体験する、は活きてくる。
Orihime(ロボット) + VRで、動けない人に景観だけでも見に行けるような擬似旅行を提供するとかも良さそう。
平面ではダメで、空間じゃないと成り立たないものはなんだろう、というのを日々探すのが大事そう。